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25 February 2020コラム

「させていただく症候群」になっていませんか

今月は言葉遣いをテーマとしたランチセミナーを開催しました。定員は15名で募集しましたが、なんと26名もの方にお申込みいただき、2回に分けて実施することになりました。参加者の年齢層も幅広く、プログラムを考える際も「何をお伝えすれば、役に立つかな?」とワクワクしながら準備をしました。その甲斐もあってか終わってから「楽しかった」という参加者からの感想を多くいただき好評でした。

その中でも反応が大きかったのは「させていただく症候群」になっていませんか?というコーナーです。
「担当させていただきます」
「資料をお送りさせていただきます」
「精一杯、務めさせていただきます」
このように、させていただくを「私も普段からしょっちゅう使ってます・・・」という方がかなりいらっしゃいました。

そもそも「させていただきます」は正しいのか、それとも間違いか

言葉遣いとしては「させていただく」も決して間違いではありません。結婚式の招待状などに相手への敬意を表すために「出席させていただきます」と記入することは正解です。しかしながら「する」という言葉の謙譲語としては「いたす」が一般的です。丁寧に話したいという思いから、「させていただく」を多用するのは控えましょう。
「担当いたします」
「資料をお送りします」
「精一杯、務めます」
と短く話しても丁寧さは変わらず、むしろすっきりとして聞こえます。

「させていただく」がNGと囁かれる理由

「させていただく」という言葉に違和感を覚えるという指摘が目立ち始めたのは2010年頃とされています。しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われることが要因です。代表的な例としてはお店の臨時休業日の「誠に勝手ながら○月○日は休業させていただきます」といった張り紙があります。言葉遣いとしては「休業いたします」で十分に敬語表現ですが、お店側の「せっかく来てくれたのに申し訳ございません」という気持ちが含まれて「させていただきます」という表現なのでしょう。この気遣いに丁寧だと感じる人もいれば、不快だと思う人もいるのです。

ですからビジネスシーンで「お伝えさせていただきます」「お断りさせていただきます」「依頼させていただきます」「確認させていただきます」「ご連絡させていただきます」という具合に「させていただく」を多用すると、『一方的だ』と不快に感じる人が多くいることを理解しておくことが大事です。

皆さんは「させていただく症候群」になっていませんか?

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